菌根菌について

植物の生育に良好な影響を与える「菌根菌」についてご紹介します。

菌根菌とは、植物の「根」付近で共生する土壌内の微生物です。

近年では菌根菌が植物の育成に良い影響を与えるとする研究結果や書籍の出版など、注目が集まっています。

日本菌根菌財団によると

”野山の草木が,人間が手を加えなくても自然に育っているのは地球上のほぼ全ての植物と共生関係を築いている菌根菌とこの菌の胞子内外で共存しお互いに助け合っているパートナー細菌(PB)が生息しているからです。しかし,農地ではこれらの有益微生物が全く,あるいはほとんど生息していないのが現状です。この原因は,化学合成農薬の大量使用と化学肥料の大量施肥によって引き起こされたのです。

このような農地での有機・自然栽培は極めて難しく,作物の生育が不良で,病害虫の発生も多いです。それゆえ,農学者や農学研究者の中には「わが国のような温暖多雨な環境では無機養分の流亡が多くて,病害虫による被害が起こりやすいので,有機・自然栽培では十分な収量が得られない。化学合成農薬や化学肥料がなくては安定した収量が得られない。」と言う方が多いです。”と菌根菌の重要性について紹介されています。

また、マツタケを代表とする多くのキノコはわかりやすい菌根菌の例であり、土壌内では松の根っ子周辺が白く変色し、カビが生えている様子になっていれば菌根菌が共生し、良い育成環境の判断材料になります。

菌根菌が共生した良い育成環境の中でも、白く変色するなど目視できない種類も多くあり、確認する為には菌根菌に特別な薬品を混ぜて共生状態を目視で確認する為には手間があります。

土壌内に菌根菌類が共生することで、ミネラル類のリンを中心とした栄養素や水分を効果的に吸収する働きがあり、例え栄養や水分が少ない環境でも良く育つことが期待できます。

菌根菌資材について

株式会社松本微生物研究所では用途や樹種に応じて多くの菌根菌資材を商品化しています。

中でも「エコバイオティクス根健」の効果を紹介するページでは育成状況に明らかな違いがあり、植物の育成が促進されていることが良くわかります。

また、同社による菌根菌の活用事例によると

”外生菌根菌を使った緑化の研究を続けていた関西電力グループが、当社と2008年から両社共同で菌根菌を活用した微生物資材の研究開発を始めました。2010年10月に樹木用(エコバイオティクス根健樹勢回復用)を発売しました。菌根菌を活用した樹木用樹勢回復資材の開発は国内初です。

樹勢回復用は樹木医グループの樹勢回復施業のアイテムとして採用されています。日本各地の名刹、有名庭園などの貴重樹木の樹勢回復、東日本大震災の復興事業の一環として、海岸のクロマツ再生にも使われています。” として紹介されています。

今回は普段目にする機会が少ない菌根菌についてのご紹介でした。

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