農地に建築 分家住宅

厳しい制限がある農地と市街化調整区域が重なった事例の続編をご紹介します。

市街化調整区域の農地に建築する場合は法律確認に加えて、自治体による条例の確認~、審査基準~、、、要件が多く、厳しい制限があります。

農地に建築-分家住宅編】 

市街化調整区域に指定された日(線引き日)より前から生活拠点としている「本家」から世帯が分かれることで、新しい世帯が新たに必要とする住宅を「分家住宅」と定義されます。

例えば、市街化調整区域に昔から住んでいる親族が所有する土地に自分の為に家を建てること等です。
農家や農業を営まない方でも、特例として調整区域に家を建てることができる可能性があります。

必要書類の一例

・家系図
・土地家屋名寄帳
・戸籍謄本
・土地使用承諾書
・農業従事者証明書
・自治体ごとの申請書
・誓約書
・土地登記簿謄本
・土地閉鎖謄本
・公図
・見取図
・敷地現況図
・建築物立面図
・建築理由書
・資金計画書
・建築基準法29条、43条許可申請書
・農地転用許可申請書

少し深堀 分家住宅から一般住宅へ用途変更

市場には限りなく黒に近い、一般住宅へ用途変更されない物件も存在しています。
一般人が知らずに土地を購入して、家を建てる、所有権を移転して住み始める。

ここまでの一連の流れで行政が指摘することは現実的ではないかもしれませんが、違法である可能性が限りなく高い状態です。

特別な許可を受けた「人」が使用する為の制度なので、第三者へ使用させることや売却にも特別な許可が必要で、売主側に責任がある状態です。

その為、自治体ごとに基準が異なる「やむを得ない事情」を説明して、用途変更許可を行う必要があります。

巷のご意見番によると

・制度の建前上、行政窓口では明確な回答をしないorできないorお願いベース回答
・担当者により案内される内容が異なる
・不動産屋さんからは契約書に内容を入れることができないので自己責任
・同じ状況でもお隣さんは許可取得ができたが、窓口では不許可と言われた…

個別具体的な判断が必要で、大量の確認書類に加えて、地域差がある関係から労力を要します。

さらに深堀 関係条文

(開発行為の許可)
第二十九条 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
一 市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの
二 市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行うもの
三 駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
四 都市計画事業の施行として行う開発行為
五 土地区画整理事業の施行として行う開発行為
六 市街地再開発事業の施行として行う開発行為
七 住宅街区整備事業の施行として行う開発行為
八 防災街区整備事業の施行として行う開発行為
九 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第一項の免許を受けた埋立地であつて、まだ同法第二十二条第二項の告示がないものにおいて行う開発行為
十 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為
十一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
2 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、それにより一定の市街地を形成すると見込まれる規模として政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
一 農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
二 前項第三号、第四号及び第九号から第十一号までに掲げる開発行為
3 開発区域が、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域又は都市計画区域及び準都市計画区域外の区域のうち二以上の区域にわたる場合における第一項第一号及び前項の規定の適用については、政令で定める。

(建築制限等)
第三十七条 開発許可を受けた開発区域内の土地においては、前条第三項の公告があるまでの間は、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
一 当該開発行為に関する工事用の仮設建築物又は特定工作物を建築し、又は建設するとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたとき。
二 第三十三条第一項第十四号に規定する同意をしていない者が、その権利の行使として建築物を建築し、又は特定工作物を建設するとき。

(開発許可を受けた土地における建築等の制限)
第四十二条 何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第三十六条第三項の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。
2 国又は都道府県等が行う行為については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、前項ただし書の規定による許可があつたものとみなす。
(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)
第四十三条 何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。ただし、次に掲げる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設については、この限りでない。
一 都市計画事業の施行として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
二 非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
三 仮設建築物の新築
四 第二十九条第一項第九号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内において行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
五 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
2 前項の規定による許可の基準は、第三十三条及び第三十四条に規定する開発許可の基準の例に準じて、政令で定める。
3 国又は都道府県等が行う第一項本文の建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設(同項各号に掲げるものを除く。)については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、同項の許可があつたものとみなす。

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