書籍なし国家資格 学科4 風速5m/s

公式書籍の販売が追いついていない国家資格について「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)」から抜粋します。

2) 規制対象となる飛行の方法 p15~

c. 人又は物件との距離
無人航空機の操縦者は、当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に30メートル以上の距離(無人航空機と人又は物件との間の直線距離)を保って飛行させることが原則とされ、それ以外の飛行の方法は、航空法に基づく規制の対象となる。

「人又は物件」とは、第三者又は第三者の物件を指し、無人航空機を飛行させる者及びその関係者並
びにその物件は該当しない。

また、「物件」とは、(a)中に人が存在することが想定される機器、(b)建築物その他の相当の大きさを
有する工作物等を指す。

具体的な「物件」の例は次のとおり。
車両等:自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等
工作物:ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等

なお、土地や自然物(樹木、雑草等)などは、「物件」に該当しない。

上記の内容は航空法の規制対象に「該当する」or「しない」の択は試験問題的に作成しやすそうです。

d. 催し場所上空
無人航空機の操縦者は、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空における飛行が原則禁止されている。

「多数の者の集合する催し」とは、特定の場所や日時に開催される多数の者が集まるものを指す。
その該当の有無については、催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上等の人に危害
を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や規模だけでなく、特定の場所や日時
に開催されるかどうかによって総合的に判断される。具体的には、次のとおり。

該当する例
祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサー
ト、町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為) 等

該当しない例
自然発生的なもの(信号待ちや混雑により生じる人混み 等)
また、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空における飛行に際しては、風速 5m/s
上の場合は飛行を中止することや、機体が第三者及び物件に接触した場合の危害を軽減する構造を用
意していることが必要である。

飛行中止が視野に入る風速 5m/sとは

風速の目安 

名称   m/s     状況

静穏   0.0~0.2   煙がまっすぐに昇る、紙飛行機に適する
至軽風  0.3~1.5   煙がたなびくが風向計での計測はできない、紙飛行機に適する
軽風   1.6~3.3   顔に風を感じる、木の葉が動き風向計での計測が可能になる、凧揚げに適する
軟風   3.4~5.4   葉っぱが絶えず動いている、軽い旗がはためく、凧揚げに適する
和風   5.5~7.9   ホコリが舞い上がり、木の枝が動く、凧揚げに適する
疾風   8.0~10.7  小さな木がゆり動く、水面にさざ波が立つ、凧揚げに適する
雄風   10.8~13.8  大きな枝が動き、電線がうなり、傘をさすのが困難になる
強風   13.9~17.1  木全体がゆれ、風に向かって歩くのが困難になる
疾強風  17.2~20.7  木の枝が折れ、立っているのが困難になる
大強風  20.8~24.4  簡単な構造物が倒壊する
暴風   24.5~28.4  立木が倒れ、かなりの被害が生じる
烈風   28.5~32.6  被害が甚大
風具風  32.7~    被害が甚大

出典:愛媛県総合科学博物館・風力階級表

上記の目安に照らした場合、扇風機の中レベルでも飛行中止が視野に入りそうです。

f. 物件の投下
無人航空機の操縦者は、当該無人航空機から物件を投下させることが原則禁止されている。
物件の投下には、水や農薬等の液体や霧状のものの散布も含まれる。無人航空機を使って物件を設
置する(置く)行為は、物件の投下には含まれない。

物件を設置(置く)ことが投下に含まれないことから、宅配、物流関係についてはまさに空の産業革命が起きそうなポイントです。

追記☆

民間企業の最新動向では

”日本郵便では2016年度から輸配送業務へのドローンの活用を検討しており、2019年度~2021年度まで
3カ年にわたり、東京都奥多摩町において運用方法の検証を実施。

2022年12月の航空法改正を踏まえ、日本初となる第三者上空(有人地帯)を含む飛行経路での補助者
なし目視外飛行 (レベル4)の承認を国土交通省航空局から取得。

業務提携先のACSL社と連携し、国による「第一種機体認証」を取得した機体を 「一等操縦者技能証
明」を保持する操縦者が新たな運航ルールに従って飛行させることで、これまで以上の安全性を確保。

【飛行の詳細】
飛行区間:奥多摩郵便局~配達先さまを往復
飛行予定日※:2023年3月23日(木)(予定)
飛行時間帯※:9:00~17:00
搭載するもの:1.0kg以内の荷物
飛行高度:20m~145m
速度:最高時速36km
※ 天候や輸送する荷物の量、空域の調整などによりやむを得ず、飛行日、時間を変更または休止する場合があります。また、飛行予定日より前に、準備飛行を実施します。”

出典:日本郵便株式会社2023年3月17日プレリリース別紙

「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)」p15からの抜粋と派生情報についてのご紹介でした。

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