盆栽輸出

日本が世界に誇る芸術文化「BONSAI」
盆栽にまつわる情報共有を通じて、盆栽界のさらなる発展を応援いたします。

今回のテーマは「盆栽輸出」です。

【結論】

①盆栽は世界的に伸びしろ大

②輸出の最短ルートは商社様


【盆栽の輸出実績】

世界に通じる日本語「BONSAI」
盆栽の輸出実績では2018年が75505本に対し、2022年には98107本と約30%増加しています。*1
これは、植木の輸出本数が2018年~2022年で約30%減少しているデータと比較して脅威的です。


また、2022年植木等の輸出金額実績は約60億円の規模感です。
入門的な位置づけの盆栽でも高く評価される為、高価格帯の盆栽輸出を視野に入れるとこれまた脅威的です。


【盆栽輸出の壁】その1

海外では盆栽の需要に反して、日本の盆栽が足りていない現状があります。
これは、各国が求める植物輸入に対する規制の影響が大きいことが理由のひとつにあります。
そこで登場するのが「植物検疫」「植物防疫」に関するルールです。
1845年アイルランドで大流行したジャガイモの疫病フィトフトラ(カビが原因説)による食糧危機まで遡ります。

当時はたった5年程度で100万人以上も餓死、200万人以上が移住したとされます。
2020年に日本国内で感染が確認された新型コロナウィルスと比較した場合、日本国内で5年間の死者数を約8万人*2と仮定すると被害の大きさがイメージできます。

その後、ドイツの学者による植物病理学が誕生→ブドウ苗アブラムシ事件→1872年ドイツで植物検疫制度開始→世界的に広まるざっくりとした経緯があります。

制度の概要はいくつかの検査を基に、輸出によって相手国へ迷惑をかけないようにする為です。
主な検査項目は【栽培地】【細菌】【虫】【消毒】です。 

輸出先国によって異なる条件を満たして初めて盆栽の輸出が可能になる制度です。
そもそも、輸出が不可能な樹種もあり、官民一体となった外交が不可欠な様子です。

例えば2020年には農林水産省や植物検疫局などが協議を重ねた結果、EUへ黒松の輸出が解禁されました。
2024年1月には香川県知事と高松市長により、アメリカへの輸出解禁を目指して協議をする旨の要請を国へ行ったニュースがあります。*3


国内需要が落ち込む話も聞きますし、「仮に盆栽の輸出が停止したら国内の7割くらいの盆栽園が潰れるんじゃないか」と言った盆栽輸出の重要性をお話してくださる盆栽園もありました。

盆栽が海外に広まり、世界的な話題になれば日本国内では90%が盆栽を育てたことがない*4といった大きな伸びしろがある盆栽市場には期待感しかありません。
盆栽やらないなんて勿体ない。#盆栽ブーオーシャン #盆栽投資

*4


【所感】

国によって異なる条件を盆栽生産者、盆栽園が理解して輸出を成功させる為には高いハードルがあります。
現実的には総合商社、輸出関連業者などと協力して進めるようです。

現状では多くの手続きや費用、取引リスクや手間など、盆栽輸出は身近な存在ではありません。
当店はこの輸出手続きをもっと身近なものにするビジョンがあります。
引き続き、盆栽輸出入にまつわる内容をご紹介いたします。

*1令和5年2月9日横浜植物防疫所-盆栽説明会
*2coronaboa-日本
*3西日本放送2024年1月25日
*4文化庁-盆栽調査