17栄養 植物にとっての亜鉛

植物の成長に必要な17種類の栄養素から”亜鉛”について学んだ情報を共有します。

【結論】
①人にも植物にも大切な栄養素
②定期的なPHチェックで予防


【”亜鉛”とは】

動植物に必要な必須栄養素かつ日常生活でも活用される。
光沢があるシルバーカラーの金属元素で磁石には着かず、錆びやすい。

電気を通しづらい性質から電池のマイナス極で活用されたりする。

成人1日の推薦摂取量は男性 11 mg、女性8 mg程度とされます。(食事摂取基準
亜鉛が多く含まれる食品単品で、吸収効率や栄養バランスを考慮しない場合の参考としてはカキ1個、うなぎ1串、牛赤身400gの摂取でおよそ1日分です。


【”亜鉛”の役割】

植物が光合成を行う為に必要な”葉っぱの緑色”「葉緑体」や植物ホルモンの生成、その他栄養素の活性化などに関与し、幅広い役割を果たす必須栄養素で、1914年に植物の成長に必要であることが示されました。*1

”亜鉛”の必要量は乾物重量当たり15~300μg*2であるとされます。

【”亜鉛”の欠乏、過剰症】

論文をいくつか確認した限りでは”亜鉛”が原因で欠乏、過剰症を発症したことを特定、診断することは難しそうですが、phが高い土壌では”亜鉛”が不溶化することで植物が吸収できない状態になります。

過度なアルカリ性の土壌では”亜鉛”を散布しても吸収できる環境ではない為、ph調整が先かもしれません。

可能性がある症状としては

①葉色が薄くなる(黄色や白っぽい)
②葉、実、花に奇形が出る
③育成不良など

また、過度なアルカリ性に傾いた土壌の他には近くに工場があり、工業廃水が流れ着く環境や過剰に肥料を散布した年、過剰な連作をしている環境などは”亜鉛”が原因かもしれません。

世界的には農耕地土壌の30%以上に”亜鉛”が不足しているそうです。*2


【亜鉛対策】

特殊な環境で栽培している場合を除き、アルカリ性に傾いた土壌でもph7台くらいに保つ、連作をする場合に”亜鉛”が含まれた肥料を散布する。

亜鉛欠乏が発見された農耕地で行った実験*3では、”亜鉛の増施によって得られる作物の増収量はごくわずかであり、作物自身の最適PHへの調整が極めて重要であった。”と発表されていますので、定期的なPH計測が亜鉛対策の基本かもしれません。

※2024年4月にph計測した時の様子
 #2年前の植替えで炭と苦土石灰投入した真柏ph7

今回は植物の必須栄養素の観点から記事を執筆しました。
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#必須栄養素 #亜鉛 #ph計測 #真柏ph7

*1植物の亜鉛膜輸送体からみた亜鉛ホメオスタシスと亜鉛シグナリング
*2植物の亜鉛トランスポーター
*3亜鉛欠乏土壌に関する調査研究