盆栽盗難への対策
không thể tha thứ/天的法律
日本が世界に誇る芸術文化「BONSAI」
盆栽界の課題である盗難に関する観点から情報を共有し、盆栽発展を応援いたします。
今回のテーマは「盆栽盗難への対策」です。
【結論】
①防犯4原則の徹底+25分ルールの視点
②爆窃団対策へデジタル展示がヒント
【爆窃団とは】
近年、白昼堂々と人通りの多い繁華街にある店舗へ押し入り、店員や客が滞在する目の前でショーケースを破壊して商品を盗み出すと言った日本とは思えない衝撃的なニュースがあります。
東京都の某時計店が襲われた際には、2分間で2億5千万円の時計が被害に遭ったと報道されていますが、盆栽盗難への対策に無視できない「爆窃団」たる中国系の窃盗集団です。
*デイリー新潮
この集団は圧倒的にタチが悪い存在です。
記事によると”爆窃団は、百貨店や宝石店などが閉店した後、ビルとビルとの間に油圧ジャッキを設置して、その圧力で外壁に穴を開け店内に侵入し、貴金属などを根こそぎに盗んでいくという荒っぽい方法をとった強盗団だ。
日本では1980年代以降に被害に遭うようになった。その手口から、警視庁の中国語の通訳が爆窃団と名付けている。香港などを拠点に活動する中国系外国人によるグループが中心とされているが、韓国系や台湾系も存在する。”
盆栽が展示される場所の特性上から、爆窃団の名前こそが上がらないかもしれませんが、実態としては近しいかもしれません。*NEWSポストセブン
また、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏によると”「泥棒は『気づかれない、見つからない、捕まらない』という三原則の元、動くのですが、『これだけ大きな音を出せば気づかれる、人が来ると見つかる』と分かっているにも関わらず、その大原則を度外視して行動している点で非常に荒っぽい犯行であると言える」と付け加えた。
犯人像について、同氏は「一見して外国人による犯行と思われるが、それにしては被害額が少なすぎる。通常、外国人が貴金属店を狙う場合、『ヒット&アウエー型』といって、犯行後即日、国外逃亡し、警察が現場に来る頃には『機上の人』になっている場合が多い、下見も十分に行い、被害額もそれなりに多額になる場合が多いが、今回の犯行はそれとは違うのかなと思います」と分析した。
今回の事件に限らず、小川氏は「最近の傾向としては、防犯カメラが設置されていること、機械警備がされていることを承知の上での荒っぽい犯行が目立ちます。今年に入ってからも、京都、神戸、名古屋、静岡で、同様の手口で、質屋、ブランド品買取り業者、時計店が狙われ被害にあっています。」と警戒を呼び掛けた。
対策として、小川氏は「高額で狙われそうな品は閉店後、金庫に入れる等、店頭に高価な貴金属類を置かないこと。今回は2軒目の店から金庫を持って行かれたが、短時間では破壊されない、搬出されない金庫もある」と提案。さらに「一般の家での場合ですが、帰宅して泥棒に入られたと気配を感じても、絶対に室内に入らないこと。まだ泥棒が中にいる可能性があり、犯人と鉢合わせになることもある。外に出て110番することです」と二次被害を防ぐ対策も指南した。”*まいどなニュース
爆窃団たる輩を意識した場合の対策方法はまさに青天井。
様々な観点から防犯対策を検討する必要性があります。
【防犯4原則とは】
防犯の基礎的な内容から調査し、まとめてみます。
「時間」「光」「視線」「音」これらが防犯の主軸となります。
特に、犯行を諦めるまでの「時間」については侵入するまでに2分を越えた場合に51%が諦め、10分を越える場合には全体で70%以上が諦めるとするデータ*1があります。
また、敷地に近づく者を照らす「光」は後に続く防犯カメラたる「視線」の精度に関与する大切な対策です。
最終的に侵入されてしまった場合には警報機で退散して頂く流れでしょうか。
防犯4原則を基本とする防犯製品のレベルは向上を続けています。
悪天でもしっかり作動する人感センサー、ソーラー充電、幅広い光量(ルーメン)、100デシベルに及ぶ大音量の警報機(100db→電車通過時の高架下、90db→騒がしい工事、80dbデシベル→線路脇)、リアルタイムで喋りかけつつ、動く者を追う防犯カメラ(当店複数台設置済み)...
防犯製品については調査を続け、定期的に紹介いたします。
【警備会社の25分ルールとは】
警備会社へ外注する場合に25分ルールの存在はかかせません。
つまり、通報から25分以内に到着できれば良いと解釈できるルールがあるからです。
条文を見てみましょう。
警備業法43条 (即応体制の整備)
機械警備業者は、都道府県公安委員会規則で定める基準に従い、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、速やかに、現場における警備員による事実の確認その他の必要な措置が講じられるようにするため、必要な数の警備員、待機所(警備員の待機する施設をいう。以下同じ。)及び車両その他の装備を適正に配置しておかなければならない。
この警備業法だけでは25分ルールが記載されていません。
続く細則に記載があります。
警備業法施行細則5条 (即応体制の整備の基準等)
法第43条の規定による警備員、待機所及び車両その他の装備の配置は、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報(以下「異常発信」という。)を受信した場合に、その受信の時から25分以内に当該現場に警備員が到着することができるように行わなければならない。
警備会社によっては上記内容より迅速な対応を定めたサービス提供をしているかもしれませんが、法令上は25分以内が目安になります。
【展示をデジタル化】
近年ではコロナ渦の影響もあってリモートワークやオンライン会議などデジタル技術の導入が進みました。
近年のツールは割りと簡単、高性能、無料~です。
さらに、神社、お墓などにもデジタル技術が活用されています。
出雲大社(常陸国)のおみくじはQRコードを読み取り、PayPayで決済ができます。
来園されたお客様へ盆栽を吟味して頂く際に、上記の事例は新しい盆栽展示について、盆栽防犯の観点からヒントになるのではないかと考えました。
*2
*3
物理的な防犯に限界がある爆窃団への対策についてヒントになりそうです。
【所感】
盆栽盗難についての情報共有、防犯4原則に始まり、爆窃団を想定した盆栽のデジタル展示など
大切な盆栽を守る為の策は多くあります。
現場の声を大切にしながら、許し難き盆栽盗難の対策案について調査を継続します。
今回は盆栽発展を応援する為、盆栽盗難の対策観点から記事を執筆しました。
次回より「盆栽盗難の救済手段」をご紹介いたします。
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*デイリー新潮-国内-社会-2023年5月20日
*NEWSポストセブン-2023.01.22 16:00
*まいどなニュース-事件-80年代の「爆窃団」を想起!荒っぽい手口の窃盗事件が各地で連続発生中
*1警視庁-住まいる防犯110番
*2エスアイマネジメント株式会社-デジタル参拝
*3プレリリース-スマートシニア株式会社2023年2月6日